旅をすることがおれの人生にあたえられた役目なんだ。それを抛棄することはできないんだよ。
人間はただその一生のうち、自分に最も適していて最もやりたいと思うことに可能な限りの時間を充てさえすればそれでいい筈だ。
それはむしろ、旅立ちを考えはじめたが故に明確に見えてきた自己の役割や使命であった。 旅をすることによって人生というもうひとつの旅がはっきりと見えはじめ、そこより立ち去る時期が自覚できるようになったのであろうか。
それにわたしは、そもそもがひとっ処にとどまっていられる人間ではなかった。だから旅を続けた。それ故にこそいろんな経験を重ねた。旅の目的はなんであってもよかったのかもしれない。たとえ死であってもだ。人生と同じようにね
2016年15冊目。