文明が崩壊する原因は、戦争でも病気でも食糧危機でもない。
それは歴史が大きなターニングポイントに差しかかったときに、「引き継ぐべき価値観」と「捨て去るべき価値観」を見極められたかどうかの違いだというのだ。
まり……、次世代に向かう新しい価値観を創れた文明は存続し、見極められなかった文明は崩壊する。
デント氏の予測法を極めて単純化して言えば、景気は四六歳~五〇歳の人口の増減によって決まるというものだ。
この年代は、人生で最もお金を使う年代であり、節約したくても、出費を抑えられない。
黙っていても、子どもは大きくなり、住居費、教育費をはじめとしたさまざまな費用がかかる。
そこで、このような年代に属する人口が、これから多くなる場合、景気は良くなり、少なくなる場合、景気は悪くなるのである。
いたってシンプル。あまりにも普通の人でもわかってしまうので、専門家の間では話題にすらならないが、その長期トレンドの予測精度を見ると、とても無視できない。
子どものことを考えるのであれば、もう日本には未来がないと、海外に移り住んでいく力をいまから養っておくのが、賢い。
だから、おそらく最も賢い生き方は、これから一〇年から一五年中国に住み、その後は東南アジアで暮らし、そして子どもはインドに留学させる。
このようにお金が流れていくところを見越して、どこでも生きられるような教育をすればいい。これが論理的な結論。
年齢がいけばいくほど、消費が伸びる市場を挙げれば、健康、医療、介護、旅行、そしてスポーツ施設の利用、さらには、なんと宗教がある。
実際問題、キミがやるべきことは三つ。
この三つは、世の中がどんなになろうとも、必ず宝に変わる。
だから、つべこべ言わずにやれ。まず海外留学。まず英語、そして中国語。
三つ目は、優秀な人材が集まる場所の空気を吸え。
生活のためだけに金を稼ぐような仕事には、関わるな。とにかく無理目を狙って、優秀な人がいそうな場所に近づけ。
私の最初の仕事は、役人だった。
二一歳のとき、外務省に入った。
彼らの姿は、いまも脳内に焼きついている。
それが大きくキミのセルフイメージを引き上げる。
セルフイメージが、未来のキミを創るのだ。
だから、有能な人と同じ空気が吸える日が一瞬でもあればいいのだ。あとは、どんなに腐っていようが、関係ない。
何が儲かるかで仕事するのではなく、何に情熱を持ち続けることができるか。
それから、はじめないと。つまり、ライフワークだ。ライフワークには、希望退職もなければ、定年もない