【No,117】7つの会議

7つの会議
めちゃくちゃ面白くて一気に読んでしまった。
かなりおすすめの小説。

著者は池井戸潤。
以前に読んだ「下町ロケット」と似ているなと思ったら、
下町ロケットも池井戸潤による小説だった。

中堅メーカーと取引先との間で、データの捏造が発覚。
登場人物一人一人のストーリーが丁寧に描かれている。

自分自身、営業として1年近く働いた経験があるからこそ、
登場人物が発する言葉をより理解することができ、
より面白く読めたのかもしれない。

それぞれに大義がある。

奈々子は真顔になってきいた。

「ひとつ聞いてもいい? お兄ちゃん、なんのために働いてるん? いまの会社で定年まで働いて、それがお兄ちゃんにとって、どんな意味があるのん。本当にそれでええの?」

ねじ六の商売が順調だったら、過去をあれこれ思い悩むことはきっとない。

つまり、過去を正当化したいのなら、とどのつまり、いま目の前にある問題を解決するしかないのだ。

無駄と思う前にやってみる。

それは優秀な営業マンだった頃からの北川の行動指針でもある

そのとき父はいった。

「仕事っちゅうのは、金儲けじゃない。人の助けになることじゃ。人が喜ぶ顔見るのは楽しいもんじゃけ。そうすりゃあ、金は後からついてくる。客を大事にせん商売は滅びる」

顧客を大切にしない行為、顧客を裏切る行為こそ、自らの首を絞めることになる。

それがわかっていたからこそ、村西は、顧客に無理な販売をしてこなかった。

誠実に、顧客のためを思って働いてきた。
それが村西の首尾一貫した仕事の考え方である。

虚飾の繁栄か、真実の清貧か――。

強度偽装に気づいたとき、八角が選んだのは後者だった。
後悔はしていない。
どんな道にも、将来を開く扉はきっとあるはずだ。